スポーツやダンスで重要な「胸から脚」とは?— その理論と効果的なストレッチ方法
こんにちは!O.C.Laboの押方です。
今回は、スポーツやダンスの指導でよく耳にする「胸から脚を使う」という動きについて解説します。
「胸から脚が生えているように動きなさい」
「脚で蹴るのではなく、胸から蹴るイメージで」
バレエやダンス、ランニング、サッカー、さらにはキックボクシングなど、さまざまな競技で使われるこの表現ですが、具体的にどういう状態を指すのか、しっかりと理解できているでしょうか?
今回は、O.C.Labo的な視点で「胸から脚が生えている状態」を解説し、その感覚を身につけるためのOCLストレッチの方法をご紹介します!
「胸から脚」とは?— イプシラテラル・ファンクショナルライン(IFL)
「胸から脚が生えているような状態」とは、イプシラテラル・ファンクショナルライン(IFL)と呼ばれる筋膜の連動を活用した動きのことです。
これは、以下の2つの筋肉が連動することで生まれます。
- 広背筋(こうはいきん)— 背中から骨盤までつながる大きな筋肉
- 縫工筋(ほうこうきん)— 骨盤の前側(上前腸骨棘)から太ももの前を通り、膝の内側につながる筋肉
この2つの筋肉がしっかり連動することで、体の中心から脚にかけてスムーズな動きが生まれ、「胸から脚が生えているような感覚」が得られるのです。
例えば、サッカーでのキックやダンスのターン、キックボクシングでの蹴りなどで、単に脚を動かすのではなく、体幹から脚へと力を伝えることで、より効率的かつスムーズに動くことができます。
この感覚を身につけるために、次に紹介する OCLストレッチ を実践してみましょう!
「胸から脚」の感覚を身につける OCLストレッチ
① 事前チェック
まずは、現時点での「胸から脚」の感覚をチェックしてみましょう。
- 普段の動きの中で、「胸から脚がつながっている」感覚を意識しながら走る、蹴る、踊る
- もしうまくイメージできなければ、このストレッチを試した後にもう一度動いてみて、違いを感じてみましょう
② ストレッチのやり方
- 腕のセット
- 片手を前から上げ、手のひらを後ろに向ける
- 小指側で背中をチョップするようにし、反対の手で手首をつかむ
- 肘を開いて胸を張る
- 脚のセット
- 肩幅に足を開き、手を持った側と反対の足を一歩前へ
- このとき、顔は正面を向いたままキープ
- ストレッチ動作
- 肘を天井に向けて持ち上げる
- すると、広背筋と縫工筋がしっかりとつながる感覚が得られる
- 息をすべて吐きながら(「ふーっ」と吐く)、しっかり伸ばす
- 息を吸いながら戻し、反対側も同様に行う
この動作を 左右3セット 繰り返します。
③ ポイントと注意点
- 手の動かし方
- 胸をしっかり開くことが重要!
- いきなり後ろで手をつかむと背中が丸まりやすいので、必ず「前から上げる」動作を入れる
- 肋骨を広げる意識
- 肩甲骨を寄せて胸を開くイメージで
- 背中を反るのではなく、肋骨を開くことを意識する
- 正しい姿勢をキープ
- 顔は常に正面!
- 顔を横に向けてしまうと、ねじれが生じてしまい効果が半減
- 足を前に出すときも 肩幅をキープ する(内側に入りすぎないよう注意)
- 肘は真上に上げる
- 倒れたりねじれたりせず、真っ直ぐ伸び上がるイメージで
④ 事後チェック— 動きの変化を確認しよう!
ストレッチを行った後、もう一度「胸から脚」を意識しながら動いてみましょう。
✅ さっきよりも胸と脚がつながっている感覚がある!
✅ 広背筋と縫工筋がしっかり働いている気がする!
こう感じられたら大成功です!
このストレッチの動画はこちらから
このストレッチは、練習の前に行うことで 「胸から脚」 の感覚を自然に身につけやすくなります。